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2016年04月17日

地震は容赦してくれません ~熊本地震のニュースを見て~

地震は容赦してくれません ~熊本地震のニュースを見て~



地震は容赦してくれません ~熊本地震のニュースを見て~



先日からの熊本・大分県の地震(平成28年 熊本地震)のニュースを見て、改めて地震の恐ろしさを痛感しています。

最初の14日の地震【震度7:マグニチュード6.5】の報道は、運転中のラジオから。

帰宅後のTVニュースで、刻々と明らかになる被害状況。
緊急地震速報の警戒音と、余震(本当は前震だった)のニューステロップに、心が苦しくなりました。

5年前の東日本大震災の思い出が、僕の中でも相当のトラウマになっているようです。

しかも驚いた事に、16日未明の地震【震度6強:マグニチュード7.3】が、今回の本震との事。震源域も熊本から大分へと拡大しているようです。

マグニチュードと震度階は別物なので、一般的には分かりづらいですが、マグニチュードは1増えると地震のエネルギーが32倍に。(※マグニチュード7の地震は、マグニチュード6の地震の32個分のエネルギーという意味)

最初の地震で被害を受けた建物・受けなかった建物も、度重なる大きな地震・余震で予期せぬ被害が出ています。

国の重要文化財の熊本城も、最初は天守閣に瓦屋根が残っていましたが、16日のお昼のニュースでは殆ど無くなっていました。
(画像上:16日、画像下が15日の熊本城の被害状況)

 地震や災害は、容赦してくれません。


ニュース映像の全壊・半壊等している建物を見ると、気にならずにはいられません。やはり以下の条件に当てはまるものが多いようです。

 ①瓦屋根である事
 ②開口部(窓)が特に南面に多い事
 ③ピロティ形式を採用している事
  (2階以上を柱のみで支え、1階部分が駐車場)
 ④立地・地盤の条件に問題がある事

私見ですが、当初は限定したダメージだった建物も、度重なる大きな余震で倒壊・半壊状態になっているように思われます。又それが原因なのか、1階部分が大きく損傷を受け、2階の重さに耐えれず(2階は建物が残っている)に潰れているケースの木造住宅が、今回特に多いように感じました。

さらに今回初めて気付かされたのが、防災瓦のデメリット。

防災瓦は、地震・台風などの災害時に屋根からのズレ落ち・落下を防ぐ目的で普及してきたしたが、その弊害として落下せずに屋根上に残っている瓦の重量が、建物の揺れとダメージを大きくし、倒壊に至っているケースがあるように思いました。上空からのニュース映像を見ていて、瓦は外れずに殆ど残っているのに、倒壊している木造住宅が何件も確認出来ました。

上記写真の熊本城のように、地震により瓦が振り落とされた方が、建物本体(主要な構造部)のダメージを軽減出来るのかもしれません。
昔ながらの瓦は、屋根に簡易に固定されているだけです。これも先人の知恵なんだと思いました。

住宅の設計・施工に携わる者として、既存住宅の耐震診断・補強計画の設計時にも、こういう情報は活かすことが出来ます。

東海地震への備える為に、地域の皆さんの為に、プロとして僕に出来るコトを頑張りたいと思います。


 被害にあわれた方々、今も避難をされている方々が、
 一日でも早く普段の生活に戻れることを、
 心より祈っております。


シライ
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白井建設株式会社
住まいの設計室しらい一級建築士事務所
http://461.jp/
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